2016年01月18日

自律型島嶼社会モデル

2016年1月23日 国際シンポジウム『自律的島嶼社会の実現に向けて』 開催

「現代グローバル社会における自律的島嶼社会モデルの構築と実践」プロジェクト シンポジウム

自律的島嶼社会の実現に向けて

 


 

【日時】
2016年1月23日(土) 10時~17時
【場所】
琉球大学 50周年記念館 1F多目的室
【主催】
琉球大学国際沖縄研究所
*予約不要・参加無料/同時通訳有

 

【開会挨拶】

  • 外間 登美子 琉球大学地域国際連携担当理事
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  • 【講演】

    • 蘇 啓誠 台北駐日経済文化代表処那覇分処処長
    • 「日台漁業協定の締結とその課題」
    • 東シナ海における平和及び安定を維持し、友好お余に互恵協力を推進し、排他的経済水域の海洋資源の保存及び合理的な利用等を図ることを目的とする日台漁業協定は、台北市において2013年4月10日に署名し5月10日に発効した。しかし、漁獲高や操業ルールが策定されないまま発行したため、現在克服しなければならない多くの課題を抱えている。本シンポジウムでは、日台漁業協定締結に至った経緯と、そうした課題について報告する。
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    • 豊見山 和行 琉球大学 法文学部国際言語文化学科琉球アジア文化専攻教授
    • 「島嶼国・琉球の自律性について:国用・生業・医療の視点から」
    • 1609年から1879年までの琉球国は、日本の支配を受ける一方、明清帝国の朝貢国という二重の体制下にあった。島嶼国・琉球は、島津支配下にありながらも、18世紀初頭から自給化・自律化を強めるようになる。林産物の保護育成、製塩業・陶器生産から文化的教養の振興策に至るまで「国用」という語が多用された。食料確保策や伝染病対策においても独自の戦略を展開した。それらの側面から琉球の自律性を検討する。
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    • テレシア・テイワ ビクトリア大学ウェリントン校 太平洋研究プログラム准教授
    • 「島嶼と島人を継承する:軍産複合体と太平洋」
    • 本稿では、グアムとフィジの現代の事例を用い、島嶼と島人がグローバルな軍産複合体(MIC)に形象化されていく過程を説明する。オバマ政権の「アジア・太平洋ピポット」の防御指向とグアムで計画中された軍編成がMICと融合した地理政治学的継承の例証であるとし、1998年から2008年にかけて英国軍隊が活発にフィジで大なった新兵募集活動は、MICが太平洋諸島の島人を労働者として形象化する事例であると議論する。形象化理論の政治的公約は、脱形象化の可能性を示唆している。島嶼と島人の先住民脱植民地化とプロフェミニスト理論を採用しながら、太平洋諸島と島人がMICから地震の脱形象化を図る可能性を考慮し本稿の結びとする。
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    • キース・カマチョ カリフォルニア大学ロサンジェルス校(UCLA)アジア・アメリカ研究学部太平洋島嶼件研究准教授
    • 「戦争犯罪を書くということ:ネイティブ民俗学の困難性に関する記述」
    • ネイティブは太平洋島嶼において残虐行為、記憶、正義の問題を如何なる方法で記録するのか。本公演では、ネイティブチャロモに対する人種差別や報復感あ、如何に被告である戦争犯罪者の起訴方法を形成したかに焦点を置き、1944年から1949年にかけてグアムでアメリカ海軍先般法廷プログラムが設立された経緯を議論する。残虐行為に関し法廷が作成した証言を現代の裁判の記憶と並列し、グアムと太平洋島嶼広範囲において戦争犯罪を記述することの困難性について言及する。多くの証言はチャロモ男性によるものであるから、ジェンダー化された法廷の特質を探る。

     

    *講演者紹介

    • 蘇 啓誠
    • 1991年に台湾の外交部に入り、それ以来一貫して日本の外交事務を担当している。本部勤務以外に、東京で通算10年、沖縄では2006年1月から2007年7月まで領事部長、2013年12月から処長に就任。沖縄と台湾との親善友好を深め、全般的な交流を促進するのが主な仕事である。
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    • 豊見山 和行
    • 専門分野:歴史学、琉球史。
    • 学問領域:海域アジア史、琉球列島の環境社会史。
    • 現在、琉球大学史学会会長。主要著書に『琉球王国の外交と王権』(2004年、吉川弘文館)、編著『琉球・沖縄史の世界 日本の時代史 18』(2003年出版、吉川弘文館)。共著『北の平泉、南の琉球、日本の中世〈5〉』(2002年、中央公論新社)。最近出版された論文に、「琉球王府による蘇鉄政策の展開」(『ソテツをみなおす:甘味・沖縄の蘇鉄文化誌』2015年、ボーダーインク)がある。
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    • テレシア・テイワ
    • 専門分野:太平洋学、歴史、文化学。
    • 学問領域:軍事化、先住民性、国際・移民の労働。
    • 1990年から会員である太平洋歴史学会、2006年から2008年まで会長を務める、国際アメリカ学会、アメリカ学会の会員。2008年から2011年まで、国際ふぇみにすつ政治学誌の共同編集者。アメリカ帝国における軍事と観光の接点を議論するアメリカ研究学会誌の特集号の共同編集者。現在、三世代におけるフィジ女性兵士に関する著書の完成に取り組んでいる。
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    • キース・カマチョ
    • 専門分野:アジアアメリカ研究、インディジナス研究、太平洋島嶼件研究。
    • 学問領域:帝国主義、ジェンダー、先住民性、軍事主義、ポストコロニアリズム、戦争。
    • 現在『アメラジアジャーナル』編集主任。主張著書にCultures of Commemoration: The Politics of war, Memory,and History in the Mariana Islands (2011年出版『記念の文化:マリアナ諸島における戦争、記憶、歴史の政治学』)、共同編集書、Militarized Currents: Toward a Decolonized Future in Asia and the Pacific(2010年出版『軍事化された潮流:アジア太平洋地域の脱植民地化された未来に向けて』)。最近出版された論文に、共著の「太平洋島嶼の軍事化におけるジェンダーと性の政治学:クリティカルな軍事化研究のよびかけ」がある。

     

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