池上大祐・波多野想編(2022)『島嶼地域科学を拓く−問い直す環境・社会・歴史の実践』ミネルヴァ書房、183p、京都
文部科学省特別経費プロジェクト「島嶼地域科学の分野横断型研究展開による国際的共同研究拠点形成」(2019年度~2021年度)の成果として、『島嶼地域科学を拓く−問い直す環境・社会・歴史の実践』を出版いたしました。島嶼地域の過去・現在・未来を俯瞰するための視座を35集め、琉球大学発の新しい学際的研究領域「島嶼地域科学」をより深く理解してもらうために編纂しました。読者として、研究者のみならず、島嶼地域の未来を創造する一般の方々も想定しています。
書誌情報等については、ミネルヴァ書房のウェブサイトをご覧ください。
目次(著者)
はしがき(池上大祐・波多野想)
第Ⅰ部 「島嶼地域科学」とは何か
1 島嶼を探究する(波多野想)
2 「地域」という主体性(池上大祐)
3 ヤポネシア論(池上大祐)
4 アイランド・ネットワーク(宜野座綾乃)
5 海域ネットワーク(山極海嗣)
6 レジリエンス(宜野座綾乃)
7 島嶼空間と日常的実践(波多野想)
8 アーカイブズ(佐藤崇範)
第Ⅱ部 「巡り合うこと」から考える
9 コミュニティ創造の基盤としての記憶(波多野想)
10 つながる人々(宜野座綾乃)
11 「コンタクトゾーン」としてのハワイ――沖縄系移民の視点から(山里絹子)
12 オキナワ・ディアスポラにおけるIrei no Hiの実践(山里絹子)
13 アイランド・フェミニズム(宜野座綾乃)
14 文学とコミュニティ(喜納育江)
15 資源としてのランドスケープ(波多野想)
16 島の文化遺産(波多野想)
第Ⅲ部 「生存すること」から掘り下げる
17 地震と津波災害(Castro Juan Jose)
18 防災対策とソーシャルキャピタル(當山裕子)
19 マングローブと防災(渡辺信)
20 天然痘(前田勇樹)
21 八重山のゼロマラリア(斉藤美加)
22 琉球在来豚アグーの復活と島嶼ブランド化(名護麻美)
23 キャリング・キャパシティ(環境容量)(藤田陽子)
24 生態系サービス(藤田陽子)
25 ヘルシーアイランド(健康な島づくり)(小林潤)
第Ⅳ部 「向き合うこと」から始める
26 太平洋核実験(池上大祐)
27 非核兵器地帯(池上大祐)
28 南西防衛(山本章子)
29 基地公害(森啓輔)
30 トラウマとPTSD(淡野将太)
31 PTSDと戦争(淡野将太)
32 戦争の記憶の継承(山本章子)
33 戦没者の遺骨収集(山本章子)
34 軍隊と島嶼住民(鳥山淳)
35 他者の歴史を救済すること(呉世宗)
あとがき(池上大祐・波多野想)